産業用イーサネットソリューション
産業アプリケーションのデータ伝送といえば、最初に選ばれるのはイーサネットです。ハーティングの産業用イーサネット製品群の詳細。
イーサネットはますます多くの分野で万国共通の通信プロトコルとなりつつあります。ハーティングの産業用イーサネットの結線・ケーブル製品群をご覧ください。
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イーサネット接続技術PDFガイド(完全版)
産業用イーサネット接続分野のハーティングの膨大な製品群をすべて一覧できる、便利なPDF版セレクションガイドです。(PDF | 10 MB | 36 pages)
その他のソリューションとリソース
製品マネージャーから学ぶ
過酷な環境特集:産業用イーサネット接続の課題
鉄道、機械、ロボット:産業用イーサネット設備はありとあらゆる場所で展開されています。接続技術は最も過酷な産業環境でも、節約的で信頼性の高い伝送を保証しなければなりません。 Joachim Finke と Heiko Meierが クリアすべき具体的な課題を概説します。
高性能で革新的なイーサネットPCB接続
小型化、コンパクトでパワフル!ハーティングの革新的なPCB接続技術はデバイス設計の新しい可能性を実現します。詳細はこちら ハーティングテクノロジーグループ プロダクトマネージャー Nikolaj Ponomarjow, Marian Dümke, Maximilian Rohrer.
RJ Industrial®イーサネットインターフェース
過酷な産業環境に対応するRJ 45:当社の新しい RJ Industrial®は、絶対的な堅牢性と信頼性を備え、迅速で簡単な組み立てのための切断工具を内蔵した 'Multifeature'モデルです。イーサネットインフラの設置の時間を最大25%短縮できます。
利用可能: ケーブルコネクタ|ケーブルアセンブリ|デバイス側
ix Industrial® - 産業用イーサネット用小型インターフェイス
ix Industrial®は、おなじみのRJ45よりもソケットが70%小さい上、ギガビットイーサネット対応の完全標準インターフェースを提供します。優れた遮蔽性、堅牢性、抜群のパフォーマンスを兼ね備えるix Industrial®は、小型化デバイスに最適な選択肢です。
利用可能: ケーブルコネクタ|ケーブルアセンブリ|デバイス側
T1 Industrial - シングルペアイーサネット
たった1ペアの銅線でイーサネット伝送。SPEはフィールドデバイスとイーサネットネットワークの接続に最適な技術です。シングルペアイーサネット技術は高速かつ省スペースで、費用対効果に優れ、すぐに実装できます。単純なセンサやカメラなどにイーサネットインターフェースを装備することで、SPEは産業システムの統合やIIoTといったトピックの推進役として位置づけられています。
利用可能: ケーブルコネクタ|ケーブルアセンブリ|デバイス側
preLink®
preLink®システムは、産業、ビルオートメーション、IT向けの迅速かつ簡単な汎用配線ソリューションです。このソリューションは、どんなアプリケーションにも同じ効率で使用できます。
利用可能: ケーブルコネクタ|ケーブルアセンブリ|デバイス側
丸型コネクタ M12、M8
M8、M12インターフェースは、産業用イーサネットのアプリケーションで、おなじみのRJインターフェースを上回る3つの重要な長所を兼ね備えています。それは、追加の保護ハウジングなしで高いIP保護等級を達成できること、スペース要件が非常に少ないこと、および耐振動性のあるオス/メス・コンタクト方式です。産業用建物の配線、機械設備だけでなく、鉄道部門でも使用されています。
利用可能: ケーブルコネクタ|ケーブルアセンブリ|デバイス側
産業用イーサネットスイッチ
Han-Modular® - 産業用モジュラーコネクタの業界標準
Han-Modular®シリーズは、電力、データ、信号を1つのコネクタにまとめられます。インサート、コンタクト、フレーム、フード/ハウジング、アクセサリから成る多様なシステムが、個々のお客様の要件を満たします。お客様は、100種類以上のコネクタモジュールから選択することができます。
いずれも各種伝送メディアに適し、さまざまな結線技術と、複数のデータ伝送ソリューション(例:Han-Quintax®(cat 5)、Han Megabit Module(2 x cat 5)、Han Gigabit Module(cat 6aおよびcat 8.2))にも対応しています。特許取得済みのHan-Modular®ヒンジフレームにより、あらゆる過酷な環境に対応するHan®フードおよびハウジングに、すべてのモジュールを取り付けることができます。
Han® 1A - コンパクト、堅牢、多用途
ハーティングのHan® 1Aは初めて、コントローラ、小型モータ、制御盤用に使用でき、かつ現場で設置も可能なコンパクトな電源コネクタを手頃な価格で提供します。この非常にコンパクトでコスト最適化されたシリーズに、この度、さまざなアプリケーション分野に対応するM12 DコードとM12 Xコードのインサートが登場しました。
Han® 3A - 過酷な環境用のコンパクトなコネクタ
Han® 3A産業用コネクタは、その堅牢性と多用途性により、機械装置、ロボット、鉄道、エネルギーの分野で利用され、認められています。過酷な産業環境で使用できる、貴社のニーズに合ったバージョンが見つかります。Han®3 A RJ45コネクタインサートは、用途のタイプを問わず、さまざまなイーサネット伝送速度に対応します。
イーサネットと産業用イーサネットとは?
イーサネットを汎用通信プロトコルとして使用することで、クラウドとすべてのセンサーをつなぐ統一された標準通信プロトコルのビジョンが明らかになりつつあります。IIoTはますます実現へ近づいています。
しかし、そもそもイーサネットとは何でしょうか。その背景には何があり、産業用イーサネットにはどんな特性があるのでしょう。以下の章でイーサネットの詳細をご覧ください。
始まり - ハワイから全世界へ
1970年代初期、ハワイ諸島で世界初の無線データネットワーク「ALOHAnet」が誕生しました。1970年、ホノルル大学のノーマン・アブラムソン教授は、近隣の島々に点在する大学の施設をつなぐ安価なソリューションを探していました。
この時、2つの周波数帯でデータパケットをランダムに送信することで衝突を回避するプロトコルが初めて考案され、これが後のイーサネットの基となりました。当時、このALOHAnetがやがて国際的な工業生産の通信の基礎になることを予想した人はほとんどいませんでした。今はもうユビキタス・イーサネットなしの工業生産は考えられません。オートメーション環境において必要なデータ伝送量は着実に増えており、その増加はイーサネットノードの設置数に表れています。現在、さまざまな種類の産業用イーサネットを含め、イーサネットは工場で最も広く利用される通信規格となり、そのトレンドは強まっています。そのため、信頼性の高いインターフェースとケーブルのインフラの重要性は一層高まっています。
IIoTにイーサネット
IoT(モノのインターネット)とは、仮想オブジェクトとの現実の物理オブジェクトをネットワークで接続し、情報と通信技術を使ってやり取りさせることを意味します。日常生活のオブジェクトがデジタル機能を獲得し、デジタルネットワークに参加できる現実の物理オブジェクトになります。産業界でもこうしたプロセスが起こっており、これを産業用のモノのインターネット (IIoT)と言います。
産業用コンポーネントもますますスマートでインテリジェントになっています。それもこれまでは社内ネットワークの上位レベルに限定されていましたが、もうそうではありません。近年、イーサネットプロトコルはますますクラウドシステムとつながり、その一方でフィールドレベルでも何かが始まろうとしています。ここでセンサーへのラストマイルをカバーする新しい「物理層」となるのが、シングルペアイーサネット(略してSPE)です。
データの収集、評価、利用が増えることで、より強力なインフラが必要になります。同時に、このインフラには省スペース、省資源も期待されています。より広い帯域幅を求めるネットワーク接続センサーがー増える中、キーワードとなるのが「効率」です。新しいハードウェア技術が求められます。
オートメーションとITが融合してオートメーションに
同時にオートメーション環境は、これまで別世界だったITと融合し続けています。その目的は、会社のあらゆる場所から伝送される大量のデータを現実的な方法で処理し、巧みなアルゴリズムで利用することにあります。オートメーションは常に柔軟性性と生産性の向上を目指してきました。すべての産業機械を相互にITで接続すれば、機械から取得したデータを視覚化できるようになり、巧みな評価方法を使って予測もできるようになります。どこに処理の微調整が必要か?どこに最適化の可能性が潜んでいるか?
ITに裏付けられたデータ評価は、まったく新しい最適化の可能性を開いてくれます。フィールドレベルでのデジタル化も、まったく新しいビジネスモデルやこれまで思いもよらなかったサービスをもたらします。ペイ・パー・パーツ(Pay-per-Part)やソフトウェアベースの追加機能アクティベーションもその例です。
さらにそれだけでなく、工場の運用担当者は世界中の製造過程に目を光らせることができます。これらすべての開発において、イーサネットプロトコルはこうした集中管理を可能にする統一言語となります。そしてこの融合を細部まで一貫して実行することがいかに重要かも明らかになっています。クラウドからセンサまでをイーサネットでつなぐ、これがリアルIIoTの実装方法です。HMSインダストリアルネットワークスは、年に一度発行する調査報告書の中で、アナログシステムとフィールドバスからイーサネットプロトコルへの移行状況を毎回報告しています。これらの報告書に記載された産業ネットワークの新規通信ノードの市場分布によると、 イーサネットプロトコルのシェアは2016年が38%だったのに対し、そのわずか5年後の2021年には65%に成長しています。その間、フィールドバスのシェアは全体で30%減少しています。
すべての事業分野で、統一プロトコルへの流れは衰えずに続いています。しかし、それはインフラとインターフェースの選択にどんな影響を与えたでしょう?どのコネクタがどの用途に適していますか?どんな場合に工業グレードのソリューションが必要でしょう?今は最適でも、すぐに時代遅れになる可能性があるソリューションはどれでしょうか?
鍵を握る媒体 - Cuprum(銅)
「Cuprum」(ラテン語の「銅」)は、キプロス島の鉱石という意味のギリシャ語「Cyprium」が語源です。古来、キプロス島で銅が採掘されていたことから、このように名付けられました。資源量が豊富にあり導電性に優れていたので、あらゆる種類の伝送の標準となりました。
銅はイーサネットネットワークのデータケーブルにも使われています。数十年を経て、以前は不可能と考えられていた伝送速度に新しい規格が定められました。巧みに撚り合わされたペア線と効率的なシールドコンセプトにより、現在では、カテゴリー8.1/8.2に相当する最大40Gbpsが規格化されています。この場合はらせん状に撚られた4組の銅ペア線、合計8本の銅線でデータを伝送します。この方式ではデータストリームを複数の経路に分けます。先述のとおり、らせん状に撚って遮蔽することで高周波数が可能になりますが、現在可能な周波数は使い尽くされています。最先端のシングルペアイーサネット開発は、この分野で突破口を開きつつありますが、さらなる進展にはまだ時間がかかるでしょう。
代わりの通信媒体
通信媒体としての銅は、近い将来別の伝送オプションに置き換えられると度々言われてきました。しかし、銅は本当に衰退するのか、それともすべてのIIoTプランのベースになろうとしているのでしょうか。電気伝送はすべての銅ベースのソリューションに共通する要素です。このことが使用可能な周波数と伝達距離に物理的な限界を作っています。100メートル当たり1/10/25/40Gbpsは、銅ケーブルでのイーサネットの限界として知られています。
伝送速度と伝送距離の両方においてこの限界を回避するため、そしてイーサネットでモバイルシステムを接続するために、現在は光ファイバー導体が無線システムと同じくらい使われています。この数年間、光ファイバーとWLANは、従来のケーブルに取って代わる将来の通信媒体とみなされてきました。しかし、本当にそうでしょうか?
確かに、光ファイバーケーブルはデータを遠く離れた場所へ高速で伝送することができ、EMC制御のための複雑なシールドも必要ありません。WLANは、ギガビット伝送と固定配線から自由になった可動性を両立させます。WLANアクセスポイントを設置しておけば、新しいデバイスをすばやく無線接続できます。ただし、それまでに高額なアクセスポイントの設置費用がかかり、ケーブル接続も必要です。残念ながら、これらの技術を使用する場合、ユーザーはいくつかの決定的不利益を受け入れなければなりません。光ファイバーは、汚染による信号光ファイバーは、汚染による信号減衰を回避するために、非常に清潔な条件下で接続しなければなりません。データと同時に電源電圧を伝送することもできません。デバイスにはまだ電源用の銅ケーブルを追加する必要があります。
WLANデバイスも同じです。モバイルソリューションは、しばしば充電式バッテリーや銅ケーブルで接続された電源に依存しており、そのことが究極的に可動性の長所を打ち消しています。また、充電式バッテリーには、今、注目が集まる環境への影響という問題があります。さらに、リアルタイム伝送が保証されていないこと、受信器の場所と数によってデータ伝送速度が落ちることなど、他にも考慮すべき課題が多くあります。無線でデータを送信するとき、データの安全性はどの程度確保できるか? 影響を受けやすい地域の電磁波はどれくらいになるか? これらの問題は、従来の銅ケーブルでは無視しても問題ありません。4線または8線のイーサネットは、Power over Ethernet(PoE)でデバイスに最大100ワットの電力を供給できるので、多くの場合、追加電源は必要ありません。アプリケーション的に可能であれば、常にシングルケーブルソリューションが望ましいでしょう。シングルケーブルは、特にフィールドレベルの狭い環境で真価を発揮します。IIoTが発展するにつれ、ますます多くのスマートセンサーやその他の連携デバイスが機械の中に再配置され、そこにも省スペースのデータと電力の供給が必要となります。新開発 i
適切なイーサネットインターフェースへの3つのステップ
1. どれくらいのスピードが必要か?
その用途にはどれくらいのデータ伝送速度が必要ですか?Fast Ethernetで十分ですか? それともギガビットイーサネットが必要ですか? それに応じて、Fast Ethernet(最大100Mbps)なら2組のペア線、ギガビットイーサネットなら4組のペア線で接続方法とケーブリングを設計する必要があります。
例:
PROFINET準拠の小型ビジョンセンサ
ビジョンセンサは高解像度画像を提供します。そのため、データインターフェースはギガビットイーサネット用に設計する必要があります。さらに堅牢性と小さな設置スペースも必須です。ix Industrial® インターフェイスはシンプルな IP20 アプリケーションに、M12 Xコードは防水・防塵IP65/67仕様のインターフェースに適しています。どちらのインターフェイスもPROFINET適合です。
2. どのような環境要件があるか?
そのアプリケーションはどのような環境で使用しますか?以下の環境要件は、設計の選択に関連しており、これらの要件を考慮する必要があります:
- 保護等級(IP20またはIP65/67)
- 温度範囲
- 耐振動および耐衝撃性
- 耐候性、場合によっては耐薬品性
例
自動車製造におけるロボットのデータインターフェイス
このような環境では、非常に頑丈で交換が容易なインターフェイスが必要です。ロボットの急速な動きによって生じる永久的な曲げやねじり応力により、ケーブルパッケージは耐用年数の間に摩耗してしまうからです。Han® PushPull V.14のメタル・バージョンはこれに最適です。PushPullロッキング機構により、ケーブルパッケージをきわめて迅速に交換でき、ダウンタイムを最小限に抑えられます。さらにこの製品には、RJ45または光データ用および信号、電力用があります。つまり、これはデータ、電力、信号のライフラインに最適なインターフェイスです。しかもAIDAおよびPROFINET適合です。
3.用途は何ですか?
その装置は何に使いますか?PROFINETのPNO、Ethernet/IPのODVA、EtherCATのETG、VaranのVNOなど、ユーザ組織の仕様はありますか?大抵の場合、これらを考慮すると、標準のイーサネットインターフェースを選択できます。装置のサイズとアプリケーションの設置スペースも選択の基準となります。
例
機械・プラント工学この分野では究極の堅牢性を備えるHan® コネクタですべて対応できます。Han® 3A、 Han-Modular® をはじめ、飲料業界用の Han® F&B など、他のタイプもあり、RJ45やM12 DコードまたはXコードもあるので、さまざまな産業用イーサネットプロトコルに使用できます。