持続可能性の鍵を握るスマート農業と電気化

How smart farming and electrification is key to sustainability?
インタビュー
Daniel Wood, ipari szegmens menedzser

続ける成長

「スマート農業」という言葉を聞くと、流行のものと思われるかもしれません。しかし、スマート農業は、長期的に食料需要を満たし、持続可能な農業を叶えるために極めて重要なものです。スマート農業では、環境への責任を果たしながら最高の作物収量を達成するために、デジタル技術と次世代のコンセプトを活用します。日光、気温、湿度などの環境的要素を人工知能とビッグデータを用いて追跡し、植え付け、散布、灌漑などの農事を最適化します。

データ技術と電気化の進歩が、作物収穫量アップ、持続可能性、食品のトレーサビリティ、効率的な水利用と農薬・肥料の削減を支援してくれるでしょう。

国連の2019年度版世界人口予測によると、世界人口は今後30年で20億人増加し、77億人から2050年には97億人に達すると予測されています。Credence Researchによると、電気トラクターの市場規模は2020年の時点で6億4030万米ドルでしたが、2027年には29億米ドルになると予測されています。

「スマート農業は、生産性アップ、運営効率の最大化、労働コストの最小化を包含します。」

トラクターの電気化

スマート農業の役馬「電気トラクター」は、センサー、GPS、機械視覚システムなどのテクノロジー部品をさまざまな農作業に適用し、変革の流れを押し進めています。Credence Researchによると、電気トラクターの市場規模は2020年の時点で6億4030万米ドルでしたが、2027年には29億米ドルになると予測されており、この期間のCAGR(年平均成長率)は24.1%を超える成長が期待されます。

エネルギー効率

全米農業電力協同組合(National Rural Electric Cooperative Association (NRECA))は、電気トラクターを採用することで、エネルギー使用量をディーゼル燃料より平均50%削減できると推計するレポートを発表しました。この分析は、ピックアップトラックや運搬トラックなど、農作物生産に関与しないその他の農業関連の化石燃料車両を電気化することで、さらに節約効果を高められる点にも触れています。

補助装置に動力を供給

非電気トラクターモデルでは、エンジン動力を付属装置に送るため、従来型の機械油圧式パワーテイクオフ(PTO)を使用します。電気トラクターはそれよりも遥かに効率的な方法で、インテリジェントな補助装置に電力を送り、補助装置はその電力をトラクションドライブ、電気サーボモーター、組み込みコンピューター、視覚システムやさまざまなセンサーに利用します。たとえばJohn DeereのExactEmerge™ 列植えユニットは、先進的オートメーションと人工知能(AI)で組織化されたメカトロニクス、センサー、制御装置を採用しています。

これらの電動装置には複雑で煩瑣な油圧装置がないため、より迅速で効率的な信頼性に優れた処理が可能になります。2021年コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で特集された高度自動化8RX トラクターと60フィート・24列プランターは、300以上のセンサーと140以上の組み込み制御装置を搭載し、1秒間に最大15,000回の測定を処理できます。こうした技術により、700粒以上のトウモロコシの種も2,800粒以上の大豆の種も、現在の土壌条件に基づいて最適な深さに正確に植え付けられ、作物収穫量を増やすことができます。

スマート農業のコネクタ

スマート農業の電気化には、高出力、中電圧、センサー、データ通信などのアプリケーションに対応する、さまざまなコネクタが必要です。これらのコネクタは、装置の耐用期間中に何度も挿抜されます。信頼性が高く堅牢なコンポーネントは、お客様満足度を高め、装置の耐用期間を通じたメンテナンスコストを削減するために、重要な役割を果たします。うまく設計されていないコネクタは、過酷な環境の中で次第に劣化し、故障頻度が増し、農家の追加費用につながります。良質な設計のコネクタは、故障が遥かに少なく、一般に修理も容易です。

コネクタは、大きな気温差、強い振動、洗車要件、厳しい天候条件など、過酷な農業環境に合わせて設計・製造しなければなりません。ハーティングは、コンピューター、鉄道、産業機械、電気自動車、発電所など、幅広い産業の高出力、中電圧、センサー、データ通信アプリケーションに対応する、広範な専門知識、ノウハウ、製品を備えています。

コネクタとケーブルで電気化を展開することで、すべての部品に電力を効率的に分配します。

AEFコネクタ

データ通信

現代的な農業機械は、システムの鳥瞰図を提供する3Dテクノロジーなど、データ集約機能を搭載しています。これらのテクノロジーは、信頼性の高い産業用IoTデジタル通信上に構築された広範な種類の電子機器を通じて、自律運転とリモート農業を実現します。完全自律型農業のビジョンは、考え得る最高の生産高を達成するために、基本的な種子レベルに至るまで、ほとんど過去に遡って目標を定め、農業のあらゆる側面を網羅します。

ハーティングは、スマート農業のバックボーンであるデータ通信のすべての形式をサポートしています。さらに、シングルペアイーサネット(SPE)  10BASE-T1という最高にエキサイティングな新しい技術、すなわちIEEE 802.3cg規格に基づく1対のペア線を使った10Mbpsのイーサネット物理層ネットワーク技術の開発を最前線で進めています。SPEは、コンピューターとモノのインターネット(IoT)分野共通のインターネットプロトコル(IP)通信を活用して、データと情報を通信します。

OEM関係

製造業の皆様は、強力なコネクタサプライヤーと協力することで、電気トラクターおよび実装部品の製品設計と実装において優れた成果を挙げられます。ハーティングは75年にわたるコネクタ作りの実践的専門知識を備え、鉄道、自動車、家電製品、コンピューターを含む関連産業において、適切な素材、障壁層、コンタクト圧、構造的機構を提供することで厳しい環境要件を満たすことができます。次世代の農業機械のあらゆる接続技術のニーズも、ハーティングなら満たせます。OEM支援には、貴社固有のソリューションの設計・製造を支援するHARTINGカスタマイズソリューション(HCS)、およびDIN EN ISO / IEC 17025: 2018認証を受けた電子機械部品、光ファイバー・電子伝送システム、形状、材料特性の試験機関であり、且つCEマーク認定のEMC試験機関である、Corporate Technology Services (CTS)研究所があります。

未来のスマート農業へ向けて、ハーティングのコネクタは今日も明日も、よりグリーンでより持続可能な世界に力を与えます。

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Lukas Hellmann
農業部門事業開発担当マネージャー
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Daniel Wood
機械装置産業担当マネージャー