ドライブ技術用の組立済みケーブル

NORD Drivesystemsはドライブシステム一式を一元的に提供しています。NORDは、歯車装置、モーター、ドライブエレクトロニクスから成るドライブに加え、ハーティングと協力して電源およびコントローラー用のプラグ式既製ケーブルを提供しています。その結果、設備運営者が工事現場で組み立てと試運転に必要な時間を15～20%節約できる、本物のシステムソリューションが実現しました。

NORD Drivesystemsは、ドライブ技術業界の世界的リーダーで、分散型ドライブコントローラーおよび制御盤アセンブリの歯車付きモーター、電気モーター、産業用歯車装置、周波数変換器、モータースターター向けに、メカトロニクスソリューションを提供しています。 

「当社のドライブの多くにはプラグ式接続技術が採用されています。お客様に本物のシステムソリューションをお届けするため、現在、適切な組立済みケーブルを採り入れた製品群を拡充しています」NORD Drivesystemsの電子ドライブシステム部門ビジネス開発責任者、ディルク・ボイセンは、ハーティングとの協力が始まった経緯についてこのように説明しています。

組立済み接続およびコントロールケーブルの必要性

このプラグ式接続技術は顧客の反応も上々です。プラグ式ケーブルなら、工事現場に専門スタッフが必要ないからです。このシステムソリューションは、設置時間を短縮し、配線品質を向上させる相互利益があります。「通常、工事現場での初期稼働中には、多くのドライブが時間のプレッシャーの中で設置されています。ミスも起こりやすくなります。しばしば悪条件の下でケーブルを適切に分離する必要があり、EMC規格に従ってケーブルシールドを付け、正しく配線しなければなりません。こうした潜在的なミスの原因はすべて、組立済み結線方式を使用すれば避けられます。組み立て、試運転、その後の保守サービスに伴う手間と費用も大幅に減ります」ハーティングのドイツ営業部長、マリオ・ストールは「システムケーブル」コンポーネントの長所をこのように説明しています。

標準ケーブルでは、NORDのモーターケーブルの要件は満たせそうもありません。周波数変換器の周囲のプラスチックハウジングのシールド用に、ソリューションを見つける必要がありました。許容値を超える放射性妨害波を防ぎ、電磁適合性（EMC)の要件を満たすため、コネクタハウジング内の保護接地線（PE）の周囲に最適な360°シールド接続が開発されました。「当社の特殊ソリューションに適格となったサプライヤーは数社ありました。中でもハーティングの実装は最も質が高く、取引条件もぴったりでした」電子ドライブ技術部の製品マネージャー、マティス・コスバブはハーティングとのコラボレーションについてこう説明しています。

「このようなNORD向けのソリューションは、日常的な量産事業と並行して開発することはできません。ハーティングではこうした案件のスペシャリストを社内に配置しています」顧客固有のソリューションを専門に手掛けるハーティング・カスタマイズソリューション部門（HCS）のマリオ・ストールはこのように説明します。

NORDドライブの認定モーターケーブル

このプロジェクトで、NORDはケーブルとアセンブリの仕様書を提供し、HCSのスペシャリストがコネクタのハウジングを変更し、実装しました。またハーティングは、UL認定メーカーとして安全認証を交付し、欧州、アメリカ、アジア市場の規格への適合性も実証することができました。これに対し、HSCは自社の公認テストセンターで認証試験を実施します。顧客の仕様書に従って機能および耐用期間試験が実施されます（例：IP保護等級、通電容量、耐振動性、データおよび信号品質）。 

「ハーティングは非常に優れた品質のシールドモーターケーブルを実現します。HCSとのデータシートおよび図面の協力、そしてオファーと納期の問い合わせへの迅速な回答は、我々にとって納得のいくものでした」と、マティス・コスバブは言います。

組み立て時間を最大20パーセント短縮

「組立済みの接続およびコントロールケーブルによって、当社のお客様は組み立てと試運転の時間を大幅に短縮することができます。また、ケーブルは当社のデバイス専用に設計されているので、システムの安全性も保証されます。当社は技術的責任を引き受けます」とディルク・ボイセンは長所を総括してこのように説明し、 さらに、メンテナンスが改善され、それに関連するダウンタイム費用も削減されたことを指摘しました。「今、設備のケーブルが損傷しても、より簡単に交換でき、より迅速に故障を解決できます。」